株式会社佐藤喜代松商店

鉄鋼非鉄金属石油・素材電子材料自動車部品ファインケミカル繊維ガラス・セラミックス紙・パルプ電力・発電塗料・印刷化粧品医療・医薬食品畜産農業バイオ全般発色性の高さと、粘度を抑えて塗料としての実用性を両立黒と朱のイメージが強い漆に、鮮やかな青など、珍しい色を含む約100種の色漆を2014年に上市しています。漆の原料に顔料を混ぜることで多彩な色を実現しています。ただし、発色を良くするために顔料を加えすぎると粘度が高くなってしまい、塗料としての実用性が下がるため、単純に目的の顔料を加えれば良いというものではありません。同社では、MR漆で培った分散技術などを活用し材料の特性を追求することで、高い発色性と適度な粘度を両立しています。注目の新技術・新展開コア技術と事業概要MR漆と独自の表面処理技術で、金属や皮革などにも利用可能にMR漆の特徴として、乾燥時間の短さと、作業環境の湿度や温度の条件が大幅に緩和されることが挙げられます。これは、酵素が含まれる水球を高分散させることで、漆の乾燥・塗膜硬化プロセスの時間が短くなったため実現しました。塗膜硬化が良いことから耐久性の向上にも繋がっています。また、漆は漆器や家具などのイメージが強く、木を母材として塗装することが一般的でしたが、母材に独自の表面処理を施すことで、金属や皮革、布などの多様な材料に漆を塗装できるようになりました。他にも、MR漆とスクリーン印刷技術と合わせることで、大面積を効率よく塗装できる技術を開発し、漆の用途を拡大しています。ウルシオール酵素水球::::創立資本金本社Web1949年1350万円京都府京都市http://www.urusi.co.jp/図1MR漆の適用例漆は木に塗るものというイメージを大きく覆した、自動車外装への塗装例(2003年)。その後、アパレルや家電製品など幅広い業界から注目され、皮革など多数の商品が世に送られた。背景写真は、京都市産業技術研究所のエレベーターに使用されたMR漆の事例。図2MR漆と一般的な漆の分散のイメージ左(従来型)。右(MR漆)。乾燥や硬化に関わる酵素を含む水球が細かく安定分散していることで表面積が増え、一連の反応が早くなる。図3色漆のサンプル鮮やかな発色と適度な粘度を両立した色漆>>>川下川中川上最終製品機能性材料誘導品基礎製品業界の位置づけ取引の多い業界分野1921年に漆製造販売で創業。その後、友禅染色の型資材販売、スクリーン印刷製版の資材販売を手掛ける。1990年代に、京都市工業試験場(現京都市産業技術研究所)の漆に関する特許を技術移転し、MR漆として上市。2003年にMR漆を自動車に全面塗装したことをきっかけに、MR漆が広く認知され、従来の伝統工芸分野以外にも顧客が広がっている。企業情報京都グリーンケミカル・ネットワーク参画企業株式会社佐藤喜代松商店お問い合わせ京都市産業観光局新産業振興室〒604-8571京都市中京区寺町通御池上る上本能寺前町488番地電話075-222-3324FAX075-222-3331材料としての漆の特性を見抜き、漆の利用可能性を広げる