株式会社エマオス京都

京都グリーンケミカル・ネットワーク参画企業株式会社エマオス京都新規高分子多孔体(ポリマーモノリス)を開発分離カラムから多方面展開へ左から図1、図2(a)、図2(b)図1 ポリマーモノリスの共連続構造図2 棒状や板状(a)、粒子(b、新技術)など自由な形状・サイズに製造が可能コア技術と事業概要モノリスとは、発泡体のように独立した「穴」が多数存在する多孔体とは異なり、骨格と貫通細孔が連続的に繋がった網目状構造(共連続構造)を有する多孔体のことで、貫通細孔を流路として高速液体クロマトグラフィー(HPLC)の分離カラムに活用することができます。骨格を細くして細孔径を大きくすることで、従来の粒子充填型カラムと比べて低い負荷圧で高速・高性能分離ができるというメリットがあります。またポリマーモノリスは、エポキシ系やアクリル系、スチレン系など様々な材料を基盤にすることができ、溶液から重合するのでバルクや薄膜、粒子など様々な形状に作製可能です。もともとは主に研究用途に開発してきましたが、近年、プラント用途のためのモノリス作製の課題を克服したので、バルクケミカルでの新たな展開が拡がっています。注目の新技術・新展開世界で初めてポリマーモノリスの薄膜化に成功したので、分離分析以外の展開として、リチウムイオン電池用モノリスセパレータを開発しました。高温での収縮により短絡を引き起こす現状のオレフィン系セパレータには高い耐熱性が求められていますが、モノリスセパレータはエポキシ樹脂ベースで作製されており、200℃近くの高温でも収縮することがないので短絡を防止することができます。さらに、デンドライトが発生しても、比較的ランダムで曲がりくねった流路をもつモノリスの内部構造により、金属リチウムの貫通を抑制することで短絡を防止するといった特長があります。ポリマーモノリスは、流路を高効率なミキサーや反応場として活用するフローリアクターにも適用することができます。この場合、フラスコ等を用いるバッチ反応と比べて反応時間を10分の1以下に短縮することができ、基質の転化率は100%、さらに固定化された触媒金属の流出がなく、何度も再利用できます。また、ポリマーモノリスを微粒子化(貫通孔粒子)することにも成功したので、これまで全体的に均一な内部構造の作製が困難であった大きなバルクモノリスの代わりに、均一な共連続構造を有したこの貫通孔粒子を大きなカラムに充填することで、トン単位のバルク合成・分取にも対応することが可能になり工業的な応用へと道が開けてきました。図3リチウムイオン電池用のモノリスセパレータ図4 フロー有機合成用モノリスリアクター企業情報代表取締役の石塚氏が、HPLC関連企業での開発や京都大学・京都工芸繊維大学との共同研究の経験を生かし、2004年に株式会社エマオス京都を設立。社名由来の一つであるExtended Monolith Application Using Sol-gel technology にあるように、クロマトグラフィー分野に限らず、フローリアクターやLIB用セパレータなど様々な用途について、モノリスの可能性を探っている。創立資本金本社生産拠点Web2004年2,000万円京都市右京区西院西田町26 基盤技術研究所(京都大学 宇治先端イノベーション拠点施設内)http://www.emaus-kyoto.com